#52
畜ふんを堆肥に!~たけうち牧場~
たけうち牧場にお邪魔し、たけうち牧場代表取締役の竹内通王さんと、メニコン堆肥ビジネス推進部の加藤さんにご出演いただきました!
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愛知県北東部の設楽町駒ヶ原「たけうち牧場」訪問
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たけうち牧場代表取締役 竹内通王さん
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メニコン環境バイオ事業部堆肥ビジネス推進部 加藤部長
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環境事業に10年以上取り組んでいるメニコンの「畜ふんを堆肥化する循環型酪農業の商材」をたけうち牧場と共同で研究している
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たけうち牧場の段戸山高原牛(段戸牛)490頭の牛舎を視察
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段戸牛は出荷前に地元の酒造「関谷醸造」の酒粕を与えている
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たけうち牧場のある設楽町駒ヶ原は標高900mで水が美しく、夏は涼しいので食欲も旺盛で、そのおかげで厳しい冬を乗り切るための体力もつきやすい
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たけうち牧場は地元製材所の不要になったおが粉をすべて引き取り使用していることで、地域の中で循環している
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最近ではバイオマス発電所など木材を燃やす発電所が増えているためおが粉は入手困難
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たけうち牧場は地元製材所からおが粉がいっぱいになったと連絡が来たら即対応して、お互いに良い関係を長く保つ努力を両社がしている
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メニコンとたけうち牧場の出会いのきっかけは、直営BBQレストランで食事をしているときに田中社長と竹内代表が「堆肥化商材を協力して開発しましょう」と話が盛り上がった
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生物を専攻していたため微生物・堆肥化に詳しい加藤部長も、冬場マイナス20℃になるたけうち牧場では堆肥化は困難だと当初は考えていた
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毎年冬場をどう乗り切るかが課題だった
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堆肥化は水分が必要だが低温では凍ってしまい、微生物の活動が止まるので冬場は堆肥化促進が非常に難しい。それの改善に期待できるのがメニコンの商材「resQ45(レスキュー45)」だが、これを使わない堆肥化促進の方法もたけうち牧場で現在共同研究中
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マイナス20℃環境下でも空気の調整などで上手くいく方法を開発するために共同で研究している
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商材販売だけではなく牧場に通って直接アドバイスしたことでマイナス20℃の環境下でも堆肥の温度を70℃まで上げることに成功
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冬場に適切な空気調節で堆肥温度を上げることができるとわかったので、夏場はもっと少ない空気調節で済み、電気代も削減できると試算している
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電気代を削減できるということはCO2排出量も年間約12トン削減できると見込んでいる
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加藤部長は真夏でもつなぎ作業服姿で堆肥レーンに入って奮闘してくれている
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一緒に汗をかいて結果を出していけるのは重要。これまで現場に出ないとわからなかったことがわかってきたのは、たけうち牧場のご協力のおかげ
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加藤部長が堆肥に興味を持ったのは「その部署に就いたから」だったが、追及したら無駄なことがたくさんあるということに気づき、社会貢献はもちろん、利益を出すことも考えたいと思った
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竹内代表は加藤部長を信じて「その先」を見てみたい、やってみたいと思った
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加藤部長は商材を販売すること以上に「基礎研究」を大切にしてくれるから信頼できる
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「resQ45(レスキュー45)」を販売するつもりはあったが、たけうち牧場には他の方法がいいと考えた
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牛1頭の1日のフンの量は約20~40㎏。段戸牛は約500頭なので1日に10~20トン
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堆肥は約35年の付き合いの堆肥会社と近隣の農家さんに出荷している
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堆肥を運ぶ「物流コスト」削減のためには近隣農家に使ってもらうのが一番だが、農家も減っているので堆肥を出荷できない。これが循環型農業がうまくいかない課題の一つなので、国の政策として休耕地を復活させ、堆肥活用の仕組みを改善すれば好循環が生まれる
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世界では肥料が高騰しているにも関わらず、日本は国内の堆肥を活用せずわざわざ高い肥料を輸入している。休耕地を復活させるために政策的な誘導が必要
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化学肥料を使うのではなく「完熟堆肥」を使うことで土壌改良にもつながると考えられるが課題も多い
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食肉1㎏を作るためにフンはその何倍も出るので相当処理をしなければならないのは畜産の宿命
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日本は日本でできた有機肥料を海外に輸出し、より高額な化学肥料を海外から輸入しているというもったいない状況
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牛に対して思うことは、たけうち牧場にいる間「牛に気持ちよく過ごしてもらえるように」優しく接し、最後の最後に「美味しかった」と言ってもらえるように育ててあげる。「かわいそう」と言われることはあるが、本来家畜はペットとは違い、太古の昔から人間とともに生きてきた。人間が利用できない牧草などの繊維や食品残渣を牛の4つの胃袋でたんぱく質に変えてくれる。そして人間がそれを頂く。牛には感謝しかない。人間は生きるためにたくさんの命を頂いている。そのことを常に忘れず感謝の気持ちを持っていつも牛と接している
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END